障害者あるある失敗話その10 仕事に圧倒される(リライト)

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序文

 運悪く統合失調症や鬱病のような精神疾患にかかってしまうと、リハビリに長い時間をかけなければなりません。そんな中で、一つの目標として就職を目指すようになります。ですが若くして病気にかかってしまった方の中には、就労経験がほとんどない人も多いと思います。私も19歳で病気になった後、長いリハビリの末に就職を果たしたのですが、想像を超える仕事の世界に驚愕したものです。

ホウレンソウ

 就職する前、私は職業訓練校に通っていたのですが、そこの授業で結構しつこく「ホウ・レン・ソウ」というものを教えられました。

ホウレンソウとは、ホウ(報告)・レン(連絡)・ソウ(相談)という意味で、これを徹底することで仕事は円滑に進む、ということなのですが、いざ就職してみると「相談とか報告とかいらないから、自分で考えてやって」と冷たく突き放されたものです。もちろん相談しないで失敗したら私の責任になりこっぴどく怒られます。本当に唖然とさせられたものです。最初の一ヶ月はどうやって仕事をすればいいのかもわからず、必死でメモを取って、ろくに教えてもらえない仕事をなんとか覚えていかねばなりませんでした。

なぜそんなにも教えてもらえなかったのかというと、相手が癖の強い人だったと言うしかありません。大抵の職場ではわかるまで教えてもらえるはずなのですが、絶対ではない、ということです。いわば違う世界に飛び込んでいくわけで、自分の信じていた常識は食い違うのが当然だったようです。

きつい仕事と良好な人間関係

仕事を覚えた後も、商品を扱う仕事だったので、不足がないようパートのおばさんから恫喝に近い言葉で脅され、ヒエエエェとびびっていました。怒っている人も恐ろしいですが、商品を壊してしまった後のことを思うと、余裕を持って働けたことはほとんどありませんでした。

全然合っていない仕事だったので、頑張っていてもそれなりに無能扱いされるし、休日には翌日の仕事がはっきり怖かったです。そうはいっても、当時はえり好みできるほど世間に仕事がなかったので、人生経験の少ない自分には選択肢自体が用意されていなかった感があります。

それでも冗談好きなおじさん社員と仲良くなり、朝礼の前にはだっちもねえこん(くだらないこと)を話して笑っていました。少し年上の上司は圧倒的人格者で、公明正大で仕事も丁寧に教えてくれて、ジュースまでおごってくださるという輝かしい方でした。営業の年下の先輩は礼儀正しい言葉で、役に立つアドバイスを大事な時にくださって、大分助けられました。私もそれなりに人間関係を築いていたわけです。

除け者

ただ明らかに社員の輪から外され、除け者、厄介者にされている人もいて、うわあーかわいそうだなあと同情しつつ、この辺は学校とあまり変わりがないなと思いました。

働いている場所で除け者にされるって、凄く苦しいことではないでしょうか。お金稼がなきゃ生活できないから働かなきゃいけないけど、常に他者の敵意とも戦わなきゃいけないのですから。逃げ場がない。これは辛い。

しかし私は事情も知らないし、門外漢なところがあったので、彼が一人寂しく私が働いている部屋に入って座っている時に、ちょいちょい他愛のない言葉をかけて「居てOK」ということを伝えることくらいしかできませんでした。今はどうしているのか。

別に私も万事人間関係が良好だったわけでなく、普段話している人たちに「パソコンしかできない奴」と陰口を言われているのを聞いてしまい、がっかりしたこともあります。

ただ、パソコンはできるというプラス要素があるだけで、悪口としてはちょっと微妙だよなと思います。だからそんなには後に響きませんでした。むしろ仕事のきつさの方でヘトヘトになっていたように思います。

取り柄こそ生存戦略

しかし、よくよく考えてみると、職場のような狭い世界で上手く生きるために必要なこととは、なにかしら実用的な取り柄を持つことではないでしょうか。いや、子供社会のいじめられっ子にしても、愛されるタイプは映画ののび太のように射撃がうまかったり、グレンラガンのシモンのように穴掘りがうまかったりと、愛される要素というのは実用的な取り柄のような気がします。私が学生時代愛されないいじめられっ子だったのは、なんら取り柄がなかったからかと気付かされました。職場で上手くやりたいのであれば、なにはともあれ有能であることが大事なのだと、実力はあるけど性格に難ありな社員を見てきて思いました。

そんなこんなで、精神的にきつい仕事を二年間して辞めましたが、自分に合った仕事をしたいという意欲は非常に強くなりました。やりたくないことをやらないために頑張る、という土台ができた私は、小説とパソコンに一層力を注ぐことになるのです。

 障害者あるある失敗話第10回。内容が気に入っていなかったので、今回リライトさせていただきました。そして今日で36歳になりました。おめでとう私。

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